今年の正月明け頃、天井の一部に進入用の穴を開け、
その上に重なるようにある古天井の、
むしろの様なものが伏せてある部分を、捲り上げ進入した。
かなり前から人が入っていない空間、茅葺屋根下部分の空間なのである。
上に上がるのであるが、灯光機片手に、
まさに、深海にダイブするスキューバーダイバーの如し、
約100年前に造られた空間にダイブする、といった感なのである。
まず目に入ったのは、妻部分にある小さな開口から、
わずかでは有るが光が差し込んでいたのである。
それが、その開口の大きさに対して、実に明るく感じたのである。
他にまったく開口がない、廻りの暗さで、そう感じたのであろう。
それと、外の真冬の寒さの中、ここはボァーと暖かく感じた。
やはり茅葺屋根の、茅の断熱効果のおかげなのである。
今のような断熱材などない時代、これも、ひとつの先人の知恵なのである。
さて、先日から内部の解体工事に入っている。
ある意味、昔の状態に戻す、再生する、
という改造工事が始まったばかりなのである。
茅葺古民家再生 綾部